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 あの時

 

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今日で東日本大震災から4年が経ちました。

自分の中の再確認の意味も込めて

あの時の気持ちを書いてみようと思います。

 

その時

僕は久しぶりに来てくれたお客様をカットしてた。

そのお客様は出産後やっと落ち着いたのでVoguAで髪を切るのを楽しみにしてくれていた。

メニューはカット&パーマ

「今日来るのをずっと楽しみにしてたのー♪」

って言葉が嬉しくて

子育て中の手入れの楽さ

毎日の大変さの中で気分が上がるようなキュートさ

気持ちを込めてデザインしてカットしていた。

揺れた。

数秒はちょっとした地震かなと思って手を止めて「地震?」とか話してたと思う。

次第に気持ち悪い揺れに変わりながら更に揺れ続けた。

心の中でコレはマズイ感じだなと動揺しつつも、笑顔のままで

「念のためにちょっと外に出ましょうかね♪」

なんて言いながらゆっくりとお客様を外に誘導した。

周りのお店の人たちも出てきていて外は騒然とした雰囲気だった。

揺れがおさまったところで

「お子さんも心配でしょうし今日はカットだけにしときましょうか?」

とお客様に確認すると、せっかく楽しみにしてたのでパーマもかけたいと仰ったので

「じゃあそうしましょ♪」

笑顔で答えた。

その後も一定の間隔で余震が続いたのでパーマをかけてる最中もお客様に見える場所にパーマの2液などをまとめたりお店の入り口の側にウォーターサーバーの替えのタンクを準備して

「もし地震が強くなっても美容師の誇りにかけて命がけでパーマをかけきるので安心してくださいね!」

なんて冗談めかして言ってた。

パーマがかかるまでの放置中にWEBでニュースや動画などを確認。

そこには信じられない映像が…

お客様にも現状を伝えつつ

クオリティは落とさずなるべく急いで仕上げて喜んでもらえた。

パーマ中もリアルタイムでお客様と情報を共有出来てたので

その方は帰りに旦那様の会社に寄って無事に一緒に帰宅出来たと

後々に報告をいただいて安心した。

 

 

その後

余震の心配だけでなく、原発事故の問題も重なり不安な毎日だった。

関東圏を脱出する人も増え

予約キャンセルの電話も鳴りやまない状態。

いっそのこと暫くお店をクローズして、こちらから予約キャンセルの電話をしたほうがお客様も気が楽なのではないか。

そんなふうに悩んでいた。

ある日、一本の電話がかかってきた。

僕が尊敬するカッコいい大人の男性からの電話だ。

「阿波連さん、今日ってカット出来る?」

もちろん予約はガラガラなので出来ますけど・・・大丈夫なんですか?

「ホント!んじゃカラーもしよっかな♪」

え?早く帰れないといつまた余震が来たりするかわからない状況ですけど・・・

そしてご来店(お店ガラガラ状態)

「この後ってお店忙しい?」

いえいえ、誰も来ません。

「じゃあせっかくだから久しぶりにブリーチもしちゃおっかな!いい?」

ええ、もちろん大丈夫です。

(帰りとか心配じゃないのかなぁ?)

ヘアスタイルも出来上がる頃に何気なしにこの後の予定を聞いてみた。

「いつも行ってる飲み屋さんに行こうと思ってる」

早く帰らなくて大丈夫なんですか?と聞いたら

「うん、こんな時だから今日はいつもお世話になってるお店でお金使う日にしようと思って♪」

!?

「大変でしょ?みんな」

「自分が好きなお店が無くなったら嫌だからお金を使いたくてね!」

本気で泣くかと思った。

と同時に自分の事ばかり考えていた自分が恥ずかしくなった。

この時に完全に腹をくくった。

一人でも必要としてくれる人がいる限り

どんな状況になってもお店を開けていようと。

本当に尊敬するカッコいい兄貴だ。

 

バカなので

テレビでは連日ニュースばかりの日々

原発の状況などと共に被災地の情報が流れてくる。

被災者の方々の大変そうな映像を見るととても心配になった。

自分にも何か出来ないかと思い、募金などしたりもしてみた。

でも、自分の性格的にテレビなどで見聞きするだけでは

被災者の方々の大変さを想像しきれなかった。

バカなので同じ環境を自分の目や耳で感じないと分からないと思ったんです。

僕は幸い自分で休みを調整出来るし

登山をやるので自分で寝泊まり出来るキャンプ道具などを持っていたので

こういう人が行くべきだと思ったのもある。

現地にボランティアに行くことにした。

 

 

美容師として出来る事

まずはこう考えて調べまくった。

ちょうどそのころFacebook上で

美容師の震災支援のグループが立ち上がったので

参加して皆のディスカッションなどから情報を得たりしていた。

美容師としてまずはじめに思い浮かぶ事は

被災者の方のカットなどをボランティアでやること。

しかし色んな意見を見ていると

大勢の美容師が被災地に入って現地の方々無料でカットしたりするのは

現地の美容師さん達が同じ被災者の方々にしてあげられる事を奪ってしまうとあった。

もっともだ。

結果そのグループは現地の美容師さん達を支える裏方的な役割になろうとしていて

とても素晴らしいと思った。

自分がやりたい事ではなく

必要とされる事をやろう。

自分は美容師としてではなく一般のボランティアとして行こうと決めた。

 

 

現地で感じた事

ボランティア初日

早朝から数名で車に乗り込み、被害が多い地区まで向かう。

向かう途中に通った畑の真ん中を通る道にあの空撮映像が重なる。

もう何も言えない。

隣では同じボランティアに来ていた大学生の男の子が涙ぐんでいる。

「大丈夫?」

って声をかけると

「すいません、僕が泣いてる場合じゃないですよね」

と気丈に振る舞っている。

ホントに優しい青年だ。

こっちまでつられて泣きそうになる。

肩を気持ち強めに叩きながら

「元気出していこーぜー!」

とカラ元気で言ってみた。

「はい!」

と爽やかな返事。

お互いにお互いの空気を感じていたと思う。

 

作業地区でのボランティアの集合場所の公民館に到着すると

ちょうどお米を配っていた。

ひとりビニール袋1袋分のお米の配給

お年寄りを中心に100人ほどが長蛇の列をなしていた。

多少危ない事でも、臭い事でも、汚い事でも

何でもするぞと心に決めた。

 

メインは民家を埋め尽くした汚泥を書きだす作業。

これが本当に臭い。

泥だけでなく汚水や腐敗した魚なんかも混ざっているからだと思われる。

限られた時間の中で死ぬ気で掻きだす。

掻きだしても掻きだしても簡単には終わらない。

なにしろ家ごと埋め尽くされているからだ。

そんな作業を一日に数件周る。

 

 

周る家を探すのも一苦労する。

なぜなら、ほとんどの家が押し流され

だだっ広い真っ平らな中にぽつんぽつんとある中から依頼者の家を探さなければならない。

目印がないのだ。

そんな中、テクノロジーの進化に感謝した。

iPadのMapとGPSを頼りに行けば迷いながらも目的の家にたどり着ける。

これは本当に助かった。

 

 

ある被災者の方からの依頼は

土砂が詰まってしまった家からご両親の位牌だけでも探し出したいというもの。

家の中はもうグチャグチャで、膝くらいの高さまで汚泥で溢れてる。

6~7人で必死に掻きだす。

倒れた家具などを庭に出しながら

依頼者の方の気持ちになって全員で一丸となって必死に。

見つかった時は依頼者だけでなく

ボランティアのみんなも泣きそうになってしまった。

 

 

また別の依頼者の方の家での作業後に

依頼人のおばちゃんが

これを食べていきなさいとおにぎりを出してくれた。

食糧が不足している事は重々承知していたので

僕らは自分たちの食事は準備してあるので大丈夫です。ありがとうございます!

と丁重にお断りしてもひいてくれない。

頑なにお断りするのも失礼かと思ったので頂くことにした。

そしたらもっと食べなさいと

追加のおにぎりやお新香や笹かまぼこを出してくれて

さすがに頂けないですとお断りすると

「あんた達ボランティアが元気でいてくれないと困るから食べなさい」

と自分も大変な状況なのに僕らのことばかり気遣ってくださる。

もうこれは有りがたく頂くのが礼儀だなと、美味い美味いって言いながら食べた。

おばちゃんの言葉もあってか本当に美味しかった!

ごちそうさまして帰ろうとすると

今度はジュースを出してきた。

いやいや、飲み物は各自持ってきてますからと言うと

じゃあテントに持って帰りなさいと断れない勢いで渡してくる。

もうもらうしかない。

ありがとうございました!!

と全員で言ってキャンプに帰った。

あの家から荒れ果てた道を片道1時間は歩いていかないと

飲み物を買えない事をみんな知っていた。

 

 

美容師として自分のやるべき仕事の都合もあるので

結果2泊3日を2回だけしか参加出来ていないけど

他にも数え上げたらキリがないくらい

ここに書ききれないほどの経験をさせてもらった。

お墓の上には車がのっかっていたり

道には魚が落ちていたり

この高さまで津波がきたんだよと教えてくれた壁のシミなど

映像と経験と人の温かさが今でも胸に焼き付いています。

 

 

あれから4年が経ち

原発を含め

まだまだ復興は終わっていないし

当時には無かった新たな問題等もあると思います。

少しでも早く震災による問題が解決出来るように祈っています。

 

 

勝手な思いを勝手に書き記して

ご気分を悪くされた方がいらっしゃったらすみません。

 

あの時の気持ちを再確認したくて書いてみました。

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