DOTME

ハサミとコームへのこだわり

2015年02月06日

僕にとって

切っても切れない、でも切れないと困る

というちょっと面白い関係の相棒

ハサミについてのこだわりを。

彼らとは20年ほど一緒に仕事をしてきて

もはや僕の手の一部と化しています。

愛着の刻印入りです。

まずはザッーとハサミの紹介。

メインシザー

6インチ、コバルト合金、メガネハンドル、小指掛無し、直刃。

セニング(すきばさみ)

6インチ、コバルト合金、メガネハンドル、小指掛無し、30目。

スライドカット用

6インチ、コバルト合金、メガネハンドル、小指掛有り、笹刃。

 

こだわりのポイント

メガネだの笹だのよく分からないワードが出てきましたが

僕のこだわりポイントとともに解説をしますね。

先ずは下の画像をご覧ください。

メインシザーとスライド用シザーなんですが

違いってわかりますか?

こちらがメインシザー↓

こちらがスライド用シザー↓

よーく見てもらえるとわかるんですが

スライド用のほうは刃のラインがカーブを描いてるんです。

これが 笹刃 です。

メインで使っているハサミ(直刃)のほうは閉じていくにつれ両方の刃が作る角度が鋭角になっていきます。

これにより髪の毛を逃がさずにスパッと切る事が出来るんですね。

一方、スライド用(笹刃)のほうは閉じていっても刃が曲線になっているので、閉じていく角度が常に一定に保たれます。

これにより毛を逃がしながら切る事が出来ます。

笹刃を使うとドライでスライドカットなんかをする時にもブツっと切れず

毛先を筆先のようにシュッと細く柔らかいタッチに切る事が出来るので、質感調整にはコレですね。

 

◆刃の研ぎ方も変える

使っているハサミは刃の形状だけではなく、長年のお付き合いの職人さんにお願いして研ぎ方も変えてもらってて

メインのハサミは毛が逃げずにスパッと切れるような刃付けに。

スライド用のほうは毛を滑らせながらなめらかに切れるようにな刃付けに。

それぞれの特性を活かせるように仕上げてもらっています。

ハサミの切れ方によってスタイルのクオリティが変わってくるのはもちろん

カットした切り口で髪のダメージも変わってきますからね!

 

◆メガネハンドル

これはなんとなく想像がつくと思いますが

持ち手が左右対称にメガネのような形をしています。

ハンドルの形状は他に

指穴の位置がずれたオフセットというのがあって

この画像にある上のハサミですね。

オフセットのハサミは人間工学的に初心者でも楽に持ちやすいです。

形状の特徴としてハサミの位置もぶれにくく安定しやすい。

ではなぜわざわざ持ちにくいメガネハンドルを使っているのか?

職人ぽくてカッコいいから

というのは半分冗談で
(最初に選んだ理由はそうだった、笑)

いくつか理由があります。

・普段メガネを使っている人はオフセットでも切りやすいが、普段オフセットの人はメガネを使うと安定させにくい。

・手とハサミの角度の自由度が高い(故に初心者は使いにくいが)

・かっこいい

やっぱりね、カッコいいは外せない。

一般の方には何がカッコいいか全くわからないと思いますが

これも職人の大事なこだわり(笑)

なんだかんだ言って

今は手になじんでるからって理由が一番ですけどね。

 

◆小指掛け

これは読んで字のごとく小指を掛けてハサミを安定させる部分ですが

僕は取り外し可能なものを使ってます。

基本的には自分はあってもなくても施術に問題はないんだけど

シザーベルト(腰に下げてるやつ)からハサミを取りだす時に

他のハサミとの取り違え防止の役目もあってスライド用だけにつけています。

 

◆指穴用リング

上の画像はメインシザーで、ひとつ前の画像(スライド用)と比べてもらうとわかるんですが

小指掛けが付いていないだけではなく、指穴の内側に穴の大きさを調整する為の黒いリングを入れてません。

これにより更なる自由な動きを可能にしています。

 

◆3種類のハンドル部の差

先にも書いたようにハサミの取り違え防止の意味もあって

3つのシザーのハンドル部を変えてあります。

・メイン(小指掛け無し、内側リング無し)
・セニング(小指掛け無し、内側リング有り)
・スライド(小指掛け有り、内側リング有り)

手に持った感覚でどのハサミかわかるので、目を瞑ってても間違えませんね。

 

◆ヒットポイント

ハサミを閉じた時にハンドル同士が当たる部分。

通常ここには衝撃を吸収できるようにゴム製のモノがついているんですがあえてネジに改造。

理由は

カッコいいから(笑)

自分が切ってるリズムが聞こえるんで調子いいんですよね。

これ初心者が音だし改造すると

音のリズムで下手さがバレるポイントです。(上級者アピール)

 

研ぎに出す時の為に

ハサミを研ぎに出しても同じものを使えるように、このセットを2丁ずつ持っています。

 

コーム達

左から

荒刃ロング、密刃ロング、荒刃ショート、密刃ショート、刈り上げ用、リングコーム(通常パーマ等で使う)

ロングコームは毛を幅広く取りやすく、広い幅でのカットラインを確認しやすい。

ショートコームは狭い幅で細かく頭皮の角度に合わせてカットする時に使いやすい。

刈り上げ用は厚みが薄いので短く切れるだけでなく

弾力があり肌に密着させやすい利点があります。

最近はクセを細かく見極めるのにパーマやセットに使うリングコームをカットに使ったりもします。

 

大げさではなくハサミは手の一部です。

以前、自分の前髪を切ろうと思って鏡を見て確認しながらカットしてたら指を切った事があったんです。

鏡で見てると左右の間隔が分からなくなるんですよね。

で、試しに前髪を持って目を閉じて切ってみたら全く違和感なく切れるんですよ。

もちろん指など全く切りません。

その時に確信しました。

もはや手の一部だなと。

相棒たちよ、いつもありがとう!これからもよろしく♪

 

みなさんに朗報!

僕とジャンケンするときにグーを出せばたぶん勝てますよ(笑)


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