まだアンダー30歳とな!?
初めて担当した時は中1とな!?
12年も会わない間に
こちとらこんなに歳をとってしまいましたよ。
…………。
えー、話は変わるんですが
彼女は
ネットで僕の名前を検索してくれて
Facebookで友達申請くれて
メッセージやりとりして来てくれた。
たまにこういうことがあるので
ホントに
阿波連 大竜(あなみ だいりゅう)
だなんて珍しい名前で良かったなと思う。(電話とかで名前の説明するのめんどくさいけど…)
あれは僕が25〜26歳くらい
オープニングスタッフとしてとある美容室に入った僕は、顧客ゼロに等しい一番下っぱのスタイリストとして働いていた。
その時に指名なしのフリーで来店した当時中1だった彼女を初めて担当させてもらい、それからも指名で通ってくれた。
当時の僕はガツガツとアグレッシブに頑張ってた甲斐があり
1〜2年の間にスタイリストランク(トップスタイリストとかディレクターとかのあれ)も一番上まで上がることが出来て喜んでた。
ある日、いつものように彼女が来店してくれてこう言った
「お母さんに指名料が高いから出せないって言われたから、指名料は自分のおこづかいから出すって言って来ました!」
泣いた…
当時の僕の指名料は2,000円
中学生の2,000円て相当の高額だ。
あまりに嬉しすぎたので「俺が払ってあげるよ」って言いかけたけどグッと堪えて、大金を僕にかけてくれた彼女の気持ちを裏切らないように心を込めてカットした。
それから空白期間に入るまで彼女は通い続けてくれた。
最初Facebookで
「阿波連さんは憶えてないかもしれないけど…」
なんてメッセージをくれたけど
こんな美容師冥利に尽きるエピソードがある彼女を忘れるわけがない。
ある時、僕は行方不明になった。
彼女の中で。
昔は(今ものとこも多いけど)お店を辞めたら次の店にお客さんを引っ張って行っちゃダメなルールみたいなものがあったのね。
なので新しいところで働き出してもこちらからお客さんに伝える事はタブーだった(今も個人情報を勝手に使ったりしたらダメだけど)
今と違って昔はSNSみたいなものも無かったので働いていたお店を辞めた後には行方不明になるしかなかったんですね…言いわけだけど。
その空白の12年を経て彼女はやってきてくれたわけで
12年なんて、もう同窓会みたいなもんですよ。
彼女の思い出の中のスゴ腕美容師の僕は
初恋の相手のように美化されている事でしょう。
「あんな太ったおっさんになってるなんて…会わなきゃ良かった」
同窓会で久しぶりに初恋の相手に会った女性からよく聞く言葉。
まあ、太ったおっさんになってるのは認めざるを得ない事実ですが
こちとら空白の12年も美容師一筋でやってきたので
「昔は上手かったのに…」
だけは言われるわけにはいかない。
でもなあ…
いや、美容師頑張ってやってきたよ!
あの頃より上手くなってる自信もあるっちゃあるよ。
でも、美容師力を異常に美化されていないことを祈りつつ来店を待ったのでした。
さてさて
久しぶりの再会に嬉しすぎて
長い前置きになりましたが
バッサリ切る時は阿波連さんに!と思っててくれたようで
せっかくならヘアドネーションも!と思っててくれたようで
バッサリ切ってイメチェンしつつ
ヘアドネーションしてくれました。
この12年にお互い何があったかなんてことを話しつつ
12年分のスタイリングレクチャーなんかもしつつ
同窓会的な楽しい時間でした。
喜んでくれたから
たぶんまた来てくれる…
はず!!
ま、ま、ま、待ってるからー!!