数年前のある日、僕は花粉症のクスリを貰いに近所の病院に来ていた。
自分の名前が呼ばれるのを待合いで待っていると
外から髪の毛がボサボサのしわくちゃのお婆ちゃんが慌てて入ってきた。
何をそんなに慌ててるのか気になったので見ていると
待合いの椅子にカバンをドサッと置くなりおもむろにガサゴソとカバンの中を漁りだし、
目的のモノを見つけたのがよっぽど嬉しかったのか
シャキーン!
と何かを取り出した。
まるでドラえもんが道具を出すように「秘密兵器」を取り出したお婆さんに僕はもう目が釘付け。
お婆さんが慌てて取り出したモノは…テレレレッテレー♪
櫛でした。
取り出すなりボサボサになったクセ毛の髪を一生懸命なでつけて…なでつけて。
ひとしきり梳かして満足したのか、お婆さんは安心した顔で椅子にちょこんと腰掛けました。
美容師の僕としてはどうしても髪の毛に目がいってしまうのですが
お婆ちゃんの髪の毛はお世辞にも整ってるとは言えません。
それどころか今すぐにでも髪の毛を切ってスタイリングしてあげたいくらい。
しかし、とてつもなく可愛いのです。
その行為が、その気持ちが。
仕事柄、今まで何万人という女性と「可愛い」についてディスカッションしてきましたが
僕が思う「女性が可愛さを保ち続ける為に一番大切な事」とは
このお婆ちゃんのような気持ちを持ち続けることだと思います。
世の中に可愛い女性が増えますように♪